これからのAIシンガー界隈に起こりそうなこと

先日の「NEUTRINO」登場の際、AIシンガーやそれらを取り巻く環境についていろいろ考えていました。

AIシンガー「NEUTRINO」すげぇ!

これからのAIシンガー界隈、ひいては音楽界にも劇的な変化が訪れそうです。

AIシンガーの特徴

元となった人の歌声の再現度が高い

AIシンガーの音声はほとんどの人が実際の人か合成音声かを聞き分けられないでしょう。
それほどまでにAIシンガーは人間らしさを獲得しています。

実際にNEUTRINOで作成した音声を聞いてみると、合成音声を聴き慣れていない人でも違和感なく聴けると思います。

得意/不得意が激しい

ただ、AIシンガーがしっかりした歌唱合成をしてくれるのは、そのシンガーが得意な曲だけのようです。
得意でない曲の音声はそこまで綺麗に歌ってくれないようですし、不得意な曲だと歌唱が破綻してしまいます。

既存技術のVOCALOIDのように、どんな歌でも歌ってくれるってわけではありません。

歌声データベースに依存

上記の曲による得意/不得意はパラメータを生成する歌声データベースに依存します。

データベースを収録するにも、中の人の都合や楽曲の権利の関係でありとあらゆる曲を何でもかんでもを収録はできないでしょう。
データベースのコンセプトなどを鑑み、ある程度の楽曲/ジャンルに絞り込まれるでしょう。

現在のAIでは用意した学習データの範疇の外に関する出力は極端に精度が低くなるので、AIシンガーの命運はデータベース作成時点で決まります。

これからのAIシンガーを取り巻く環境予想

AIシンガー関係することで、私的にこうなるであろう(こうなってほしいという願望も含む)事項は次の通りです。

AIシンガーの作成、販売

ボカロに様々な声やキャラクターがいるように、AIシンガーにも同じ道を辿るでしょう。
つまり、様々な歌声データベースが登場すると思います。

しかも、AIシンガーの場合はボカロのように特殊なレコーディングや音声処理をせずともデータベース作成可能。
かつデータベースからのAIシンガー作成はコンピューターが行ってくれるので、従来より簡単に様々なキャラクターのシンガーが作成可能です。

そのため、企業だけでなく個人やインディーズ規模でもAIシンガーを出してくるのではないでしょうか。
実際の歌手や声優のほか、今流行のVTuberも流れに乗ってAIシンガー化する気がします。

DB作成用の曲に需要が増える

音楽は著作権をはじめとする権利関係がしっかり整備されているため、特に日本国内では音楽関係の研究開発に様々な制約が付き纏います。
NEUTRINOでも用いられている「東北きりたんの歌声データーベース」の場合、権利関係のためか様々な制限が課せられています。

参考 研究者向け東北きりたん歌唱データベース ログインページhttps://zunko.jp

この諸問題解決のため、権利フリーなボーカル曲に需要が出てくるんじゃないかと思います。
権利フリーなBGM素材は数あれど、ボーカル曲となると途端に少なくなります。
なにせ、ほとんどの作家がボーカル曲を素材としてでなく自身の作品として発表してますから。

様々なジャンルの曲を歌えるAIシンガーのためには様々なジャンルのボーカル曲が必要になるので、権利フリーなボーカル曲を必要とする人も多くなるのではないでしょうか。

標準規格の登場

AIシンガーの進むべき方向性を明確にするためにも、データの作り方などの標準規格は現れるでしょう。
というか現れて欲しいです。

現在のAIは大元となるデータを大量に用意する必要があります。
そういった中では各者バラバラな形式や方法でデータを用意するよりも、1つの決まった規格を元にデータを用意した方がはるかに効率的かつ効果的です。
そうやって業界が足並みをそろえて進まないと、これまでと同じように海外に出し抜かれてしまいますから。

歌唱合成エンジンは各々の個性を出すために造りはバラバラになるでしょうが、その大元の歌唱データベース周りの造りは共通化されていた方がいいですね。

AIが止まらない!

音楽の分野では様々な部分にすでにAIが導入されています。
歌唱合成の分野でもAIの導入は避けられないでしょう。

歌唱合成ソフトの代表格でもあるボカロにしても、AI技術を取り込もうと試みられています。

参考 美空ひばりの新曲ライブを支援 あの歌声を当社最新の歌声合成技術『VOCALOID:AI™』で再現 NHKスペシャル AIでよみがえる 美空ひばり(仮)に技術協力 - ニュースリリース - ヤマハ株式会社https://www.yamaha.com

今後AIが浸透し、また新たなパラダイムシフトを迎える音楽界。
ファンもミュージシャンも業界も、誰もが変わらずにはいられないのです。

2020年2月25日:公開
2020年5月12日:更新

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