スピッツの楽曲から学ぶ効果的なアボイドノートの使い方

突然ですが、私はスピッツ大好き人間です。
最近では2019年3月からスタートしたNHK連続テレビ小説「なつぞら」のOPをスピッツが担当すると聞き、OPがオンエアされるのをずっと待ち望んでいました。

そんな私がスピッツが好きな理由に「明るい雰囲気なんだけど、なぜか陰りが見えてとても印象に残る気がする」といったことがあります。
スピッツが好きな人にはそう思っている方もいるのではないでしょうか?

その独特の雰囲気を醸し出す秘密の一つが、メロディーに含まれる「アボイドノート」にあるのではという考えに至りました。

アボイドノートについて

アボイドノートはその名の通り避けるべき音です。
詳しくは引用。

アベイラブル・ノート・スケール上でそのコードの機能を邪魔してしまう音のこと。たとえば、トニックの時のCのコードでFの音はsus4を感じさせてしまうためアボイド・ノートになる、という具合である。絶対に使ってはいけない音という意味ではなく、経過音として短い音符で使う分には問題がない。

Weblio辞書
参考 アボイド・ノート辞典・百科事典の検索サービス - Weblio辞書

Cメジャーキーのダイアトニックコードにおけるアボイドノートは

  • C:F
  • Dm:B
  • Em:F, C
  • F:なし
  • G:C
  • Am:F
  • Bm(♭5):C

対応するコード上でアボイドノートを鳴らすと、ちゃんとスケールに沿ったメロディーなのにしっくりこなくなったり、きれいにサウンドしなくなります。

「チェリー」に見るアボイドノート

時代を経ても語り継がれるスピッツの「チェリー」
流行りの曲や新しいアーティストを追いかけていても、「やっぱこの曲なんだよなー」と戻ってきてしまう、心のふるさとみたいな曲です。


そんなチェリー、歌い出しの冒頭「君を忘れない」の所でいきなりアボイドノートが登場しています。
Cのコードに対してのF音(11th)がアボイドノートのとなります。

ただ、ここがアボイドノートだからこそ「君を忘れない」の歌詞に強い意思を感じ、歌詞が心に残るのです。
しかも歌い出しの初めから強烈な印象を与えるアボイドノート使いを炸裂させたからこそ、そのあとの展開もきになるキャッチーな曲になっていますね。

試しにアボイドノートを回避したメロディにすると、なんだか3日くらい経てば忘れてしまうような感じになってしまいます。

3日後には忘れてそう

「優しいあの子」に見るアボイドノート

「なつぞら」のOPであり、スピッツの最新作でもある「優しいあの子」
ドラマの舞台となっている北海道の景色を思わせる曲です。


優しいあの子ではイントロでいきなりアボイドノートが出現。
また、イントロと同じメロディの「優しいあの子にも教えたい」の部分にもアボイドノートがあります。
F#マイナーのコードに対してG音(♭9th)がなる部分がアボイドノートです。
前述のチェリーのように、はじめの方にアボイドノートを配置していきなり曲に引き込む手法でしょうか。

この場合も何が何でも教えたいという強い意志が歌詞から伝わり、歌詞が印象深くなります。
もちろん、ここでもアボイドノートを回避しようとすると、その日の夜には教えることを忘れてしまいそうなちっぽけな感動のようになってしまいます。

ド忘れしてしまいそうな程度の丸い大空の色って感じ

アボイドノートは歌詞をより印象的にする

今回はスピッツの「チェリー」と「優しいあの子」の新旧2曲を例にあげました。
この2曲はカノンコードを中心にコード進行が展開されていることや、コードはトライアドがメイン、コードトーンに忠実なメロディライン、そして効果的なアボイドノート使いと似通った点が見受けられたので取り上げることにしました。

アボイドノートは下手すれば音楽を破壊してしまう危険性を孕んでいますが、そのことを理解した上で効果的に配置することで歌詞をより印象的にしたり、より繊細な音楽表現が可能になるのです。

アボイドノートはスピッツだけの専売特許なんてことはないので、世の中の様々な音楽に使われています。
一聴しただけでもすごく印象に残る曲、頭の中からずっと離れないメロディ、そこにはアボイドノートの真髄が潜んでいるかもしれません・・・
そんなアボイドノートをぜひ探してみてください。

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