音楽を嗜んでいれば誰もが気になる、特にキーボーディストなら憧れを抱いている紅いシンセサイザー。
たとえ音楽をやっていなくても、ライブだったりテレビなどでキーボーディストがひときわ目立つ紅いシンセサイザーを弾いている姿を見たことがあると思います。
その正体はスウェーデンのClavia社が発売しているNordというキーボードです。
そんなNordについて、本記事を読んで詳しくなりましょう。
コンテンツ
Nordシリーズについて
実はNordには様々なバリエーションがあり、それぞれに特色があります。
ただ、どの機種も赤い筐体であることが共通しており、ステージ上で注目の的になることには変わりありません。
以下にキーボードの現行機種を一覧にしてみました。
Nord Lead | バーチャルアナログシンセサイザー |
Nord Electro | ピアノ、オルガン、サンプルシンセ |
Nord Piano | ピアノ、サンプルシンセ |
Nord C2D | オルガン |
Nord Stage | 全部入り! |
こうしてみるとNordと一言で言うにはラインナップが多いですね。
それでは各機種を詳細に見てみましょう。
Nord Lead
Nord Leadはバーチャルアナログシンセサイザー。
ノコギリ波や矩形波などをはじめとしたオシレーターの波形を加工し、多彩な音を出す申請サイザーです。
一方、リアルな楽器を再現することは不得意です。
Clavia社がNordの名前を冠して1995年に発表したのが初代Nord Lead。
それからバージョンアップを重ねて、現在ではNord Lead A1とNord Lead 4の2機種がラインナップされています。
Nord Lead A1の方が新しい機種ですが、一世代前のNord Lead 4と比較してもそれぞれにオシレーターやフィルター、エフェクト、機能の有無があり、最新機種の方が必ずしも前機種の上位互換というわけではないので併売されている模様です。
ちなみに、世界的にも有名な国産ソフトウェアシンセサイザーの「Synth1」は、このNord LeadシリーズのNord Lead 2を模して設計されています。
参考 SYNTH1Daichi LaboratoryNord Electro
Nord Electroはピアノやオルガンなどの鍵盤楽器を得意とするシンセサイザーです。
また、その他の様々な楽器を再現するサンプルシンセサイザーも搭載しています。
そして、オルガンに関してはドローバーにて音色をセッティングできたり、ロータリースピーカーシミュレーションなどのオルガンに欠かせないエフェクトが搭載されているなど、かなり充実しています。
Nord Leadよりもバンドマン向きなキーボードと言えますね。
現行機種はNord Electro 6。
ただ、Nord Electro 6は発売されたばかりなので、前機種のNord Electro 5も併売されている状態です。
Nord Piano
Nord Pianoはリアルなピアノの再現に重きを置いたシンセサイザーです。
機能にしてもピアノに完全特化したシンプルなものになっています。
一応、様々な楽器を再現するサンプルシンセサイザーも搭載しています。
Nord Pianoの特徴は鍵盤にあります。
シンセサイザーの鍵盤と本物のピアノの鍵盤は似て非なるもの。
シンセサイザーの鍵盤は単に音を出すためのスイッチでしかありませんが、ピアノの鍵盤はピアノ内部に張り巡らせてある弦を叩くためのハンマーを動かすメカニズムが内蔵されているのです。
Nord Pianoの鍵盤は、そんなピアノのメカニズムからくる感触を忠実に再現しています。
こうすることにより、Nord Pianoはよりリアルなピアノ表現が可能なのです。
現行機種はNord Piano 4。
ただ、Nord Piano 4は発売されたばかりなので、前機種のNord Piano 3も併売されている状態です。
Nord C2D
Nord C2Dはオルガンに特化したシンセサイザーです。
1つの楽器に完全特化路線なのは、Nord Pianoと方向性が似ているところがあります。
Nord C2Dの特徴は何と言っても嫌でも目を引く2段鍵盤と4組のドローバー。
これはハモンドオルガンのB-3という機種を再現したためです。
もちろんハモンドオルガンだけでなく、パイプオルガンやトランジスタオルガンなど様々なオルガンの音色を搭載し、それらをオルガンに特化した設定やエフェクトで自由に料理できます。
参考 Nord C2DNordNord Stage
Nord StageはNordシリーズのフラグシップ機です。
なんとこれまで紹介したNordシリーズのすべての特徴を備えた、全部入り機種です。
あれもしたい。これもしたい。
そんなミュージシャンのわがままな欲望を叶える、Nord最強のシンセサイザーなのです。
どの機種にするか迷ってしまったら、Nord Stageを買えばいいのですね。
もちろん、全部入りのフラグシップ機であるが故に、メチャクチャ高いですが。
現行機種はNord Stage 3になります。
参考 Nord Stage 3Nord中古市場でも高値で取引されている
さて、このNordシリーズはステージ上で映えるビジュアルというのもありますが、それを置いて他にハイクオリティーなサウンドを備えているのです。
また、それぞれのシリーズの世代ごとに各々の特色があるため、Nord Leadの項でも述べた通り、最新機種の方が必ずしも前機種の上位互換というわけではありません。
そのためか、Nordシリーズは中古やオークションであっても、そこまで値段が下落していません。
状態がいい機体であれば、たとえ中古であっても現行機種の新品とそう変わりない価格で取引されていることもしばしばです。
「最新機種を買うお金はないから、旧機種の中古を買おう」と考えている方は、その中古品も決して安くないことを覚悟しておいた方がいいでしょう。
人生一度はNordを弾こう!
Nordシリーズは存在感あるビジュアルとハイクオリティーなサウンドを兼ね備えているため、多くのミュージシャンが愛用し、数々の名盤でもそのサウンドを聴くことができます。
Nordはそれだけ、音楽界に与えた影響が大きいのです。
そんなNord、キーボーディストでなくともぜひとも一度は弾いてみてください。
そしたらすぐさま最寄りの楽器屋さんに駆け込んで・・・と言いたいところですが、Nordは舶来品ゆえか置いてある楽器屋さんは多くなく、都会のお店でしか見かけないかもしれません。
ですので、街の楽器屋さんでNordを見かけたら、是非とも試奏してみてください。
楽器屋さんとしても試奏しただけで買わないとなっても、Nordのような高価なシンセサイザーだったらそれも仕方ないと思ってくれるはずです。
もちろん、気に入ってしまったらそのまま購入してしまっても後悔なんてあるわけないでしょう!
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