EDM系などのシンセサイザーを駆使した音楽制作をしていれば耳にしているであろう、「ウェーブテーブルシンセサイザー」というもの。
ウェーブテーブルシンセサイザーとはどういったシンセサイザーなのか?
これはこれまで使っていたシンセサイザーとは何が違うのか?
そんなイマドキのミュージシャンなら決して無視することができないウェーブテーブルシンセサイザーについてをまとめてみました。
波形テーブルを切り替えて音色を変化
ウェブテーブルシンセサイザーはオシレーターにウェーブテーブルを用いてるシンセサイザーです。
ウェーブケーブルとは波形のテーブル、すなわち音色の基となる波形をいくつも用意し、メモリと言う名のテーブルに並べているものです。
そして、そのテーブル上の波形をエンベロープジェネレータやLFOなどを用いて切り替えることで、時間経過によりダイナミックに音色を変化させるというシンセサイザーなのです。
時間経過にて音色を変化させるシンセサイザーと言うと、以前の記事でも取り上げたFMシンセサイザーもそうでしたね。

ただ、FMシンセサイザーは基の波形をFM変調させて音色の波形を実現しているのに対し、ウェーブテーブルシンセサイザーは波形そのものを切り替えるのですから、両者は全く別のシンセサイザーですし、どちらが優れているかを議論するものでもありません。
歴史は意外と古い
実はウェーブテーブルシンセサイザーは最新方式のシンセサイザーというわけではありません。
初めて世に出たウェーブテーブルシンセサイザーは「PPG Wave Computer」という1980年にドイツのPalm Products GmbH社が発売したシンセサイザーでした。
Serumのヒットからブームに
ウェーブテーブルシンセサイザーが今のように注目されるようになったのは、とあるシンセサイザープラグインの登場がきっかけでした。
そのシンセサイザーとは「Xfer Records Serum」
現代のEDMシーンにマッチした音色と使いやすいインターフェイスをかね備えたSerumは発売当初より高く評価され、今では定番のシンセサイザーとして名を連ねるに至りました。
そして、このSerumがウェーブテーブルシンセサイザーだったがために、多くのミュージシャンがウェブテーブルシンセサイザーを再評価することになったのです。
ウェーブテーブルシンセサイザーを使ってみよう!
ウェーブテーブルシンセサイザーは使うに当たって特に身構える必要はありません。
なぜなら、ウェーブテーブルシンセサイザーはオシレーターが波形テーブルという特異性はあるものの、フィルターやアンプなどのシンセの基本的な構造は変わらないからです。
ですので、波形テーブルの扱いにさえ慣れてしまえば、他のシンセサイザーと同じように使えます。
ウェーブテーブルシンセサイザーは過去の銘機や上で紹介したSerum以外にも、各社様々なシンセサイザーをリリースしています。
また、Ableton LiveのWavetableやPropellerhead ReasonのEuropeなど、ウェーブテーブルシンセサイザーがDAWに標準搭載されるようにもなっています。
その他、従来にシンセサイザーにしてもアップデートでウェーブテーブル機能を追加しているケースもまま見受けられますので、別途ウェーブテーブルシンセサイザーを買わずとも良いかもしれません。
歴史は繰り返す
音楽においても歴史は繰り返すものです。
日本の音楽シーンにおいてもDA PUMPのUSAのように1990年代風の音楽が現代にて大ヒットしましたが、音楽制作の機材にしてもウェーブテーブルシンセサイザーのように枯れた技術が再び注目されることも少なくはありません。
最新の音は過ぎ去った時の中にある、そんな温故知新の精神を頭の片隅に置きながら音楽制作に臨むことも大事なことなのです。
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