FM音源のシンセサイザーというとなんだか難しそうだとか、上級者向けというようなイメージがあります。
ですので、そんな言葉を聞いてしまったシンセサイザー初心者はFM音源のシンセサイザーを敬遠するようになってしまいます。
ですが、むしろシンセサイザー初心者にこそFM音源のシンセサイザー使ってもらって、音作りの楽しさを知ってもらいたいところであります。
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FM音源が難しいと言われる理由
FM音源が巷で難しい上級者向けの音源と言われていますが、行った何が難しいと言われる所以なのでしょうか。
FM音源は音声合成方式の特性上、パラメーターを操作したときの予測が困難です。
理解している人でも波形に何をしているかということはわかっていても、それが音にどのような影響を与えるかが結びつかないのです。
このために目指すべき音色があったとして、そこにたどり着くのが難しいのです。
逆にシンセサイザーの中ではポピュラーな方式の減算式シンセサイザーは、元となる基本波形をフィルターやアンプによって加工するため、ゴールが明確なら素早くたどり着くことができるのです。

FM音源は音作りの過程を楽しめる
FM音源はパラメーターを少しいじっただけでも大きく音が変わります。
ですが、これこそがシンセサイザー初心者にとっては音色が変わることの楽しさに触れられる教材だと思うのです。
減算式シンセサイザーは多くのパラメーターを操作しないと音色の変化が味わえません。
それと比べると、何か一つ触っただけで音色の変化を楽しめるFM音源の方が、ある意味初心者に優しいのではないかと思います。
それぞれのパラメーターの意味を理解してだとか、FM音源はなぜ音がそう変わったのかを理解するのが難しいだとかは、シンセサイザーを分かっている人の便です。
初心者に必要なのはシンセサイザーの音色を変えていく体験そのもの。
原理などはその楽しさを知ってシンセサイザーが好きになったあと後からでも遅くはないと思います。
FM音源のシンセサイザーを紹介
現行品、かつ国内でも割りかし手に入れやすいFM音源のシンセサイザーを紹介します。
FM音源のシンセサイザーは近年に再注目され、ソフトウェアだけでなくハードウェアでも登場するようになりました。
Korg volca fm
volca fmはコンパクトなシンセサイザーでお馴染みの「volcaシリーズ」のFM音源搭載シンセサイザーです。
こんな形でも3ボイス、6オペレーター、32アルゴリズム搭載の、立派なFMシンセサイザーなんですよ。
大きさも価格も手頃で、FM音源のシンセサイザーに興味はあって、とにかく触ってみたいという人にオススメです。
Yamaha Reface DX
Yamahaの銘機をミニ鍵盤サイズに収めた「Refaceシリーズ」のFM音源のシンセサイザーです。
FM音源の雄ことYamahaが現代に始めて蘇らせたFM音源のシンセサイザーでもあります。
FM音源の素晴らしさを世に広めると同時に、難解さまでも合わせて世に広めてしまったYamahaのFM音源ですが、Reface DXではより現代的に、簡単にFM音源の魅力を体験できるシンセサイザーとなりました。
Elektron Digitone
最近のライブ現場ではElektronのロゴを見ない日はないほどにはシェアが大きくなったElektronですが、そんなElektronもFM音源のシンセサイザーを出してきました。
リアルタイムに演奏するのではなく、予めシーケンスを組んでおくタイプのシンセサイザーです。
パラメーターをグリグリ操って積極的に音色を変え、一つのプリセットやシーケンスから複雑な音を奏でてみましょう。
Yamaha Montage
Yamahaのフラグシップシンセサイザーで、一般的なPCM音源とFM音源の2方式を組み合わせたモンスターマシンです。
特徴は「Super Knob」という本体中心にあるデカイつまみ。
このつまみを動かすだけで様々なパラメータにアクセスすることができ、FM音源特有の有機的な音色変化を楽しむこともできます。


ただ、性能もモンスター級であればこそ価格もモンスター級。
本格的にシンセサイザーで音楽をやっていくってミュージシャンでないと手を出すのは辛いかもしれません。