ふと頭に思い浮かんだアイディアを元に音楽を形作っていく。
それこそが音楽制作手法の王道でありましょう。
ですが、音楽制作の着想となるメロディーやリズムのアイディアをコンピューターが自動生成したものに身を任せてみるのもまた、時には面白いと思います。
全然アイディアが思い浮かばなかったり、出来た音楽作品がワンパターンになってしまうといったミュージシャンは、ぜひ自動生成されるアイディアからの制作を試してみてはいかかでしょうか。
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自分の外にアイディアの泉を持つ
メロディーやリズムの自動生成によって得られるメリット、それは自分の中から生まれたアイディア以外のアイディアを素材として音楽制作できることです。
各々のミュージシャンにはお気に入りのメロディーやコード、リズムのパターンを持っているものです。
また、楽器を演奏する際の手癖で自然と弾きやすいメロディやリズムをひいてしまうものです。
こういったことがミュージシャンが制作する音楽がワンパターンに陥りやすい原因でもあります。
自動生成された素材のうち琴線に触れたものを使って製作すれば、ワンパターン地獄から脱出することも叶うでしょう。
Ableton Liveでラクラク自動生成
さて、ここで問題になるのがどうやってメロディーやリズムを自動生成するかということです。
そういったことができるアプリやプラグインを買ってくるか自作するしか無いと考えるのが普通です。
ここでオススメなのがAbleton Live。
Liveなら最初から入っている機能でメロディーやリズムを自動生成することができるのです。
しかも難しいプログラミングなどをする必要もありません。
メロディー&リズム
メロディーやリズムの自動生成は、最近追加された「Melodic Steps」デバイスを使うことでできます。

使い方はカンタン。
デバイスに表示されているパラメータを適当にいじっったり、サイコロボタンでランダムにパラメータを設定してから再生ボタンを押すだけ。
「Melodic Steps」デバイスはパラメータを結構詳細に詰めることもできますが、そこまで頑張って詰めても結果にそう大差ないので、ノリに任せてグリグリいじくるのがポイントです。
コード進行
メロディーやリズム引き続いて、コード進行も自動生成してしまいましょう。
コード進行の自動生成には一工夫が要りますが、それほど難しいことでもありません。
コードの自動生成のためには幾つかのMIDIデバイスを組み合わせます。
今回は「Random」「Chord」「Scale」のデバイスを組み合わせることにしました。
これにより、クリップなどから入力されたMIDIノートをトリガーとし、スケールに合ったコード進行を自動生成できます。
それぞれのデバイスの役割としては以下の通り。
- Random:入力されたノートのピッチをランダムに上下させる
- Chord:1つのノートから和音を生成する
- Scale:和音をスケールに合わせてキーから外さないようにする
加えて、各パラメータをリアルタイムにグリグリ動かしてあげると、より有機的なコード進行が生成されるでしょう。
MIDI録音&トリミング
こうやって生成されたアイディアはMIDIクリップに録音しましょう。
この時、かなり長めに録音し続けるのがポイントです。
その後、録音したMIDIデータから使えそうな部分をトリミングしたり、修正したりをしましょう。
自動生成は楽するための手段にあらず
メロディーやリズムを自動生成するというと、イメージするのが手間要らずでぽんぽんアイディアを出してくれるということでしょうか。
ですが、そうやって自動生成によって出てくるアイディアは、そのままでは使えないものばかりなのが現実。手直しは必須です。
とにかくいい素材がでてくるまで待つ根気と、それを見逃さない観察眼が求められます。
だからこそ自動生成されたアイディアを使った作品であっても、自分の作品だと胸を張って言えるというものです。
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