ジャズの巨匠ジョン・コルトレーンの幻の音源が発掘されたというニュースがありました。
この音源は1963年にレコーディングされた.コルトレーンが最盛期のころの音源で、実に55年ぶりに人々の耳に届けられるとのことです。
こういった過去のミュージシャンの未発表音源が発掘されるニュースはけっして珍しいことではなく、2016年にも同じくジャズ界の銘ピアニストであるビル・エヴァンスの未発表音源が発掘されていますし、日本でもhideや美空ひばりといった大物歌手の音源が発掘されていたりします。
でも、なぜこのように未発表音源を次々と発掘されるのでしょうか?
音源ってそんなに眠っているものなのでしょうか?
コンテンツ
未発表音源が眠っている場所
遺族の家
未発表音源が発掘される多くのパターンが遺族の家に眠っていたことです。
レコーディングがコンピュータ化するまでは、レコーディング用機材として用いられていたのはテープレコーダーでした。
録音したテープはミュージシャンの手に渡ったものの、そのまま誰の目にも触れることなく眠っていたのです。
そんなテープか何かの拍子に表に出てくるということですね。
レコーディングスタジオ
音楽のレコーディングコンピュータ化すると、記録媒体はテープからハードディスクへ移ろいます。
こういったデータはコピーが可能なので、ミュージシャン自身にデータを渡ししつつ、万が一のためにスタジオ側もバックアップとして保管しているものです。
そんなバックアップデータが棚卸のときにでもひょこっと出てくるのでしょう。
なぜ未発表だったのか?
時代にそぐわないかった
いくら素晴らしい音源だったとしても、その音源を発表するからには売れなければなりません。
発表されなかったのはレコーディングした当時の流行でなかったとか、前衛的すぎて人々に受け入れられそうにもなかったといった理由で、儲けが見込めなかったのでしょう。
そういった音源が発表の機会を失ったまま眠っていたのです。
ボツ音源だった
ミュージシャンがシングルやアルバムをリリースする際には、リリースされた曲以外に日の目を見なかったボツ作品があるものです。
10曲のアルバムを作るのにだいたい20から30曲ぐらいは作っていることでしょう。
そんなボツ作品がぽろっと出てきた拍子に、本人の意思とは関係なくリリースされてしまうということです。
発掘プロジェクトが組まれていた
過去のミュージシャンのプロモーションをするということだってあります。
そのミュージシャンを人々が忘れないようにするためです。
例えば解散から10周年だとか、没後30周年だとか、いわゆる記念日などです。
そんな節目となる時期に合わせ、ビックニュースを用意するために音楽会社が未発表曲をを必死になって発掘した結果、音源が見つかってリリースにこぎつけたということもあるでしょう。
未発表音源は過去からの贈り物に
未発表本源が未発表だったことには当然理由があります。
その理由は当時の関係者しか知る由もありません。
こういった音源が発表されることに対し色々と思うところがある人もいるでしょうが、私はこうして作品が日の目を見ることは良いことだと思います。
これまで聞けなかった音源を聴くことでそのミュージシャンの思いをこれまでとは違った側面から伺い知れます。
また、この機会に過去のミュージシャンを知ったり、興味を持ってもらえる機会にもなります。
未発表音源は過去のミュージシャンからの贈り物だと捉えて、存分に耳を傾けてみませんか?