最近私はボーカルなりギターなりの録音が多いプロジェクトを、常用しているAbleton LiveではなくApple Logicで制作しするようにしています。
そしてそれがなかなか面白かったり、Logicの便利な機能に助けられたりと、Liveでの制作過程とはまた違ったアプローチで制作に当たれています。
LiveとLogicとではそれぞれショートカットキーが違ったり、Live専用コントローラーのPush 2が使えなかったりとで、幾らかは不便な面もありますがそれはそれで。
そんなわけで、ミュージシャンの皆様にはいつも使っているメインDAW以外にもう一つのDAWを用意し、製作する楽曲にあわせて使い分けてみることを提案したいと思います。
コンテンツ
DAWによって得意なことは違う
現在のDAWは開発が成熟していたりコンピュータースペックの向上などにより、打ち込みやレコーディング、編集、ミックス、マスタリングまで、音楽制作に必要な作業を全てこなせます。
どのDAWであれ制作の最初から最後まで困ることはないでしょう。
ですが、やはりそれぞれのDAWには各々に特色があり、得意な事はそれぞれ違います。
例えば私の使っているメインDAWのLiveは打ち込みによるビートメイキング、積極的にオートメーションを活用した音色や展開の変化づけ、セッションビューによる楽曲の要素のパーツ化と組み立てが得意だと感じています。
一方のLogicはオーディオ録音とその編集、豊富なプリセットやApple Loopsによる効率的な制作信仰、MacBook Proでの操作のしやすさ、Drummerによるリズムトラックの提案といったところにメリットを感じています。
このように同じく音楽制作を目的としたDAWであるにも関わらず、詳細な機能や制作へのアプローチの仕方には違いが見られるのです。
二刀流用DAWの提案
それでは二刀流用DAW、つまりサブDAWとしてオススメなDAWを紹介していきます。
日本でも人気な万能DAWのCubaseやLogicなどを使うミュージシャン向けになりますが悪しからず。
私みたいにこれから紹介するDAWをメインに使っているミュージシャンは、逆にCubaseやLogicなどの万能DAWを使ってみるといいんじゃないでしょうか。
Ableton Live
私がメインで使っていることもあり、個人的にはLiveを推したいところ。
DAWは操作項目が多くなりがちで、そのために画面がかなり複雑になってしまうもの。
ですが、Liveならインターフェースやメニューがシンプルにまとまっており、初めて触る人でもとっつきやすい印象を受けることでしょう。
また、セッションビュー機能により、フレーズやリズムなどのパーツを徐々に組み立てていく制作スタイルのため、ダンスミュージックと相性がいいといわれています。
それと、Liveは世界的には1番人気のDAWとのことです。
Image Line FL Studio
FL StudioはLiveと人気を二分するDAWです。
他のDAWと比べると独特のインターフェースを持っていますが、それが打ち込みしやすいと評判が高いです。
私もFL StudioがMacに対応していたら、Liveではなくこちらを使っていたかもしれません。
FL Studioはリズムマシンをベースとしたインターフェイス設計のため、やはりこちらもダンスミュージックが得意です。
多くのEDM系のミュージシャンもFL Studioを愛用するあたり、相性は抜群なのでしょう。
そして注目すべきなのがライフタイムアップデート制度。
つまり、一度買えばバージョンアップが一生涯無料という、なんとも太っ腹なDAWなのです。
そんなFL Studioもバージョンアップし、なんとMacにも正式対応しました。

Propellerhead Reason
Reasonはハードウェアを模したデザインが特徴のDAWです。
見た目や音色だけでなく、各デバイスのルーティングまでもがハードウェア的というこだわりっぷり。
いつもの無機質なDAWの画面から離れて、気分を変えて製作に臨みたい時にもオススメの一品です。
それと、Reasonは最近までVSTなどのプラグインに対応していませんでした。
他のDAWが当たり前のようにプラグインに対応している中、それでもプラグインなしにここまで生き残っているということは、Reason標準のデバイスがいかに優秀なのかを物語る証左でもあります。
Native Instruments Maschine
コントローラーとDAW、2つで1つのシステムという変わり種です。
ここまでで紹介したDAWと比べると、かなり毛色の違うDAWですね。
Maschineは昔ながらのサンプラーをそのままそっくりコンピューター上で実現しようとするコンセプトを持ったDAWです。
そんな特性上、ヒップホップのようなサンプリングを駆使した音楽の制作に力を発揮してくれるでしょう。
また、サンプルをレイヤーしたりオリジナルのリズムを作り込んだりするビートメイキングにも向いています。
制作する楽曲に一味違うビートを隠し味として加えてみたい、そんなミュージシャンにオススメです。
インターネット Ability
現在までに生き残った国産のDAWです。
Abilityの前身となったのはSinger Song Writer、これまた長い歴史を持つDAWです。

AbilityにはMIDIノート1つ1つに対して細かくデータを入力していくステップエディタという日本式の打ち込み機能の他、MIDI編集周りの機能は他社よりも秀でています。
他のDAWだとMIDI周りの機能はさらっと流されているものですが、Abilityは逆にここに注力しており、もはや執念すらも感じられるほどです。
またメロディやコード進行の作成に対する支援機能が強いことも特徴です。
こういった機能はミュージシャン向けというより音楽制作やDAW操作の初心者向けの機能のようですが、そういった機能は音楽理論を熟知しているミュージシャンにとっては正に鬼に金棒でしょう。
DAWごとの強みを生かそう!
いかがでしたか?
一言にDAWと言っても、それぞれに特色があったかと思います。
DAWを色々使い分けられれば、それだけ各々の強みを活かした製作が可能です。
あなたが使うDAWは一つに絞る必要はありません!
時と場合によって使い分けてみましょう。