iELECTRIBEといえば2010年にiPad版がiPadの発売と同時期に登場し、iOSデバイスでのDTMをより現実的なものにした立役者アプリの一つです。
そしてこの度、ようやくiELECTRIBEのiPhone版ことKORG iELECTRIBE for iPhoneが登場しました。
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ELECTRIBEとは
そもそも、ELECTRIBEとはどういうものなのでしょうか。
ELECTRIBEはダンスミュージックに特化したシンセサイザー&シーケンサーで、直感的な操作で音作りや作曲ができるのが特長です。
鍵盤が弾けなくても、楽譜が読めなくても、小難しい音楽理論を知らなくても、ELECTRIBEならつまみや光るパッドに触れているうちに自然と曲作りができるということで、人気を博しました。
しかし、時代の流れとともにPCを駆使した作曲やパフォーマンスが主流になり、そのあおりを受けてELECTRIBEも生産中止が検討され始めました。
動画サイトによるELECTRIBEの再評価
ところが、YouTubeやニコニコ動画などでELECTRIBEを始めとするハードウェアを用いた演奏動画や作曲風景の動画が支持を集めだすと、衰退の一途を辿っていたハードウェアが再び盛り上がりました。
ハードウェアにはハードウェアの良さがある。ELECTRIBEはそれを世に知らしめたのです。
ELECTRIBEの現在
時を経てELECTRIBEのアプリ版ことiELECTRIBE for iPadが登場しました。
さらにはハードウェアのELECTRIBEも進化しています。
ELECTRIBEの良さはそのままに、PCのDAWとの連携をより意識したものになっています。
iELECTRIBE for iPhoneについて
さて、本題に戻りましてiELECTRIBE for iPhoneですが、どういったものかは公式の動画を見てもらったほうが早いかと思います。
私が触った印象としては、iPhoneの小さい画面で操作するのは当然ながら辛いです。ですが、これはどのアプリに対しても同じことがいえるので、iPhoneでアプリを使って作曲するなら受け入れなければならないことです。
だからといって、ELECTRIBEの楽しさが味わえないということはないです。
つまみをグリグリ動かして音作りをし、パッドを押して発音のタイミングを決めていくだけで立派に作曲できます。
何よりもいいのが、そういった作業が楽しいことです。PCで作曲するとどうしても細かい部分まで目が行きがちで、曲を作るというよりひたすら調整している感じで楽しいというよりも辛いなんて思ってしまうものですから。
音作りが難しそうなんて思っている方も安心してください。iELECTRIBE for iPhoneにはわかりにくいパラメータはありません。ついているつまみはどこを触ってもガラッと音が変わります。とにかく触って試行錯誤を楽しんでください。
そして、iELECTRIBE for iPhoneには様々なジャンルを網羅したテンプレートやサンプル曲があります。それらをチェックしてみることで、インスピレーションを得ることもできるでしょう。
デモ置いておきます
せっかくなので、テンプレートを使って簡単に1曲作ってみました。
使用したテンプレートはTemplate22、すでに打ち込まれていたリズムに合わせてリードとベースを入れました。リードとベースの音色はテンプレートに設定されていたものを少しエディットしています。
その後、iELECTRIBE for iPhoneにはエクスポート機能でトラックごとにwavファイルを吐き出してAbleton Liveで聴きやすいように編集と調整を行いました。
トラックの抜き差しをしていますが、これはiELECTRIBEをリアルタイムで演奏しても、iOSのアプリ間で連携してオーディオのやりとりをしても同じことが可能です。
とりあえず、テンプレートをちょこっといじるだけでもこれだけ作れるということで。
改善要望
エクスポート機能ですが、iKaossilatorやGadgetみたいにAbleton Liveのプロジェクトを書き出せるようになったらいいと思います。
実際、トラックごとに書き出すのは地味に面倒でした。
まだリリース直後ということもあるので、これからに期待ですね。