ギターを初めて最初に覚えるコード、たいていのギタリストはCコードだったでしょう。
ギターを初心者に教える人も、大抵の人がCコードから教えています。
独学の場合でも最初に覚えるのはCコードである本やネットの情報がほとんどです。
でも、このCコードから教える学習法は悪手です。
私はCコードから教えることこそが、ギターに挫折する人を増やす一因とさえ思っています。
大多数がFコードで躓く
ギター初心者に対して一番最初にCコードを教えてはいけない理由、それは初心者キラーと悪名高いFコードに早々に出会うことになるからです。
Cコードを最初に教える、それはすなわちCメジャースケール(ハ長調)上のコードを使ってギターを演奏することになります。
Cメジャースケールはピアノの鍵盤で黒鍵を使わずに白鍵のみの「ドレミファソラシド」で構成されるスケールです。
Cメジャースケールの主要3和音は以下のとおり「C(トニック)」「G7(ドミナント)」「F(サブドミナント)」です。
以下ではそれぞれのコードダイアグラムを示しています。
図のコードダイアグラムに示したとおり、CコードとG7コードは押さえる場所が3つと、頑張ればなんとか抑えられそうな気がします。
しかし問題はFコード。
コードダイアグラムではまるまる1ライン押さえるような描かれ方をしていますが、これは人差し指を使って1フレットで全ての弦を押弦しながら、他の指で3箇所を押さえるというものです。
このような押さえ方をするコードをバレーコードといいます。
コードダイアグラムだけでなく、イラストで表してみました。
このFコード、ギター初心者の命を刈り取る形をしているだろう?
Cメジャースケールを使うならFコードは避けて通れません。
でも、Fコードは初心者にとって強敵。
立ちはだかる強敵のFコードはギター初心者のやる気を削ぎ、今日も今日とてギター初心者を挫折させています。
バレーコードを克服するのはずっと後でいい
ギターでいろいろな曲を弾いたり、もっと上手になりたいというなら、このFコードを含むバレーコードも克服しなければならない時が来るでしょう。
ですが、それはギターを初めてすぐのことではないと思います。
ギターをそれなりに弾けるようになって、ギターの楽しさがわかってきた頃になると、ちょっと欲が出てさらなる表現を求めたくなる頃が来ます。
そうなった時、満を持してバレーコードを習得するのがいいと私は思いますよ。
教える側の怠慢?
バレーコードが難しいなんてとっくにわかりきっていること。
それなのに、なぜ今でもバレーコードに早々に遭遇するCメジャースケールを用いて、ギター初心者にギターを教えようとするのでしょうか。
正直、この現状を変えようとしないギタリスト界隈やギター業界の怠慢だと思っています。
Cメジャースケールはピアノ鍵盤や五線譜で表すには都合の良い物でも、ギターにとってはバレーコードという難しい要素を含んでいます。
ギター初心者に茨の道を歩ませることを良しとする、ギター界隈は未だこんなことがまかりとっている不思議時空です。
まあ、こういった現状が改善されないのは、教える側はバレーコードを普通に弾けるというのが一因かもしれませんね。
バレーコードを弾ける人にとって、バレーコードは乗り越えてしかるべきものという認識なのでしょう。
どのコードから覚えればいいの?
私のオススメはGコードから、つまりGメジャースケールから覚えていくのがいいと思います。
その理由は次のとおりです。
- 主要3和音(G、C、D7)はバレーコードなしに弾ける
- 一般的にはバレーコードを使うBmはバレーコードを回避して弾ける
これらの詳細は以下の記事に書きました。
