先の記事で散々に無料ソフトでDTMを始めることに否定的な意見を振りまいていました。
それじゃ、何でDTMを始めればいいんだって話になりますが、私的にオススメなのが様々な機材にバンドルされるDAWソフトです。

最近ではバンドルされるソフトのクオリティが高かったり、バンドル品の総額が本体よりも高かったりすることもあり、お得感が以前よりも増しています。
バンドル版DAWについて
バンドルとは、ある製品に別の製品が付属して販売、あるいは配布すること。パソコンを「買ってすぐ使える」状態で販売するために、あらかじめOSやアプリケーションソフトをインストールしておくことなどを指す。
バンドルとは|bundle − 意味 / 定義 : IT用語辞典
バンドルについては上記の通り。
そして、DTM用の機材にバンドルされるのがDAWやバーチャル音源などのソフトになります。
ただし、バンドルされるソフトは製品として販売されているDAWや音源に制限が加えられたものや下位グレードのものがほとんどです。
そうなると、以下のような部分に制約が付きまといます。
- 同時再生トラック数
- 搭載されるバーチャル音源
- 搭載されるエフェクト
- 編集機能
その昔はバンドル版のDAWや音源にはえげつない制限があり、中には事実上音楽制作ができない物もあったらしいです。
ですが、今時のバンドル版のDAWや音源の制限は大分緩和されており、しっかりと作曲、ミックス、仕上げの工程を経ることができるので、DTMを始めたばかりの頃はバンドル版でも十分です。
DAWなどがバンドルされる製品の一覧
オーディオインターフェース
オーディオインターフェースはコンピューターに高音質な音の入出力を可能にする機材です。
本格的な音楽制作のために用いるのはもちろん、最近では高音質でリスニングするために使っている人もいます。
そして、オーディオインターフェースは音楽制作用機材ということでDAWなどのソフトがバンドルされます。
オーディオインターフェースの価格はピンからキリまでありますが、DTMを始めるのが目的でDAWがバンドルされているものを狙うなら1〜2万円ほどのものを探してみるといいでしょう。
以下、そんなオーディオインターフェースの一例です。
Roland DUO-CAPTURE EX UA-22
DUO-CAPTURE EX UA-22は2入力/2出力のオーディオインターフェースです。
価格も手頃で、初めてのオーディオインターフェースとしてオススメの一品です。
DUO-CAPTURE EX UA-22にはAbleton Live Liteがバンドルされます。
Ableton Liveは私も使っていてほんと使いやすいと思っているので、最初のDAWとしてもいいと思いますよ。
また、DUO-CAPTURE EX UA-22も後継製品として「Rubix22」が登場するとのことで、運が良ければDUO-CAPTURE EX UA-22の在庫処分品を安く手に入れられるかもしれません。
TASCAM US-2×2-SC
US-2×2-SCもまた2入力/2出力のオーディオインターフェースです。
上記DUO-CAPTURE EX UA-22と比べると、最大24bit/96kHzフォーマットのハイレゾ録音に対応している点が優れています。
US-2×2-SCにはSONAR X3 LEとCubase LEがバンドルされています。
どちらも定番のDAWなので、両方試してみて自分にあった方を選ぶのがいいでしょう。
MIDIキーボード
MIDIキーボードは演奏情報をコンピューターに入力する鍵盤です。
音楽制作専用機材ということで、DAWなどのソフトがバンドルされることが多いです。
ひとことにMIDIキーボードといっても、鍵盤数、鍵盤の大きさ、タッチの感触などが機種ごとに大きく変わるので、一言にどれがオススメかは言いにくところがあります。
ですので、MIDIキーボードについては実際に楽器屋さんなどで触れてみてからの購入がいいと思います。
本ブログでも過去記事にMIDIキーボードについて書いた記事がありますので、こちらも参考にしてみてください。

肝心のバンドルソフトですが、RolandのMIDIキーボードにはAbleton Live Liteが、YAMAHAのMIDIキーボードにはSteinberg Cubase AIがバンドルされる傾向があります。
また、ハイエンドのキーボードにはこういったバンドルソフトが付属しないこともあるので、注意が必要です。
Korg nanoKEY Studio
MIDIキーボードはオススメしにくいと先に言いましたが、KorgのnanoKEY Studioについては例外です。
これはかなりお買い得なキーボードだと思います。
nanoKEY StudioはA4サイズのMIDIキーボード&MIDIコントローラーで、一般的なピアノ鍵盤でないMIDIキーボードです。
キータッチの感触も鍵盤のそれとは違い、どちらかというとコンピューターのキーボードのものです。
鍵盤に慣れた人の評判はあまりよろしくないらしいですが、私はこのカチャカチャいう感じが気に入っています。
キーボード上部にはノブ、タッチパッド、ドラムパッドが備わり、多彩なコントロールが可能です。
将来的に鍵盤に買い換えるとしても、外出時のお供としての活躍の場面はあるので買っておいて損はないと思います。
そして、nanoKEY Studioのバンドルはなかなか豪華です。
iPad / iPhone用アプリとMac / Windows用ソフトウェアがそれぞれ付属しています。
iPad / iPhone用アプリは以下のとおり。
- KORG Gadget Le(音源内蔵DAW音楽制作アプリ)
- KORG Module Le(ピアノ・キーボード音源アプリ)
Mac / Windows用ソフトウェアは以下のとおり。
- KORG Legacy Collection – M1 Le(シンセサイザー音源)
- UVI Digital Synsations(シンセサイザー音源)
- AAS Ultra Analog Session(シンセサイザー音源)
- AAS Strum Session(アコースティック・ギター音源)
- AAS Lounge Lizard Session(エレクトリック・ピアノ音源)
- Propellerhead Reason Limited(DAW音楽制作ソフト)
- Ableton Live 50ドル割引クーポン(DAW音楽制作ソフト)
肝心のDAWはPropellerhead Reason Limited、他のDAWと比べると独特の見た目ですが、故にDTM初心者が戸惑いやすいバーチャル音源・エフェクトの繋がりがわかりやすくなっています。
また、Ableton Liveを購入する際に使えるクーポンも付属しているので、Liveを選んでもいいでしょう。
さらにはReasonとLiveを連携させることも可能なので、よりできることの幅が広がります。
他のソフトにしても、製品として販売されているものの下位グレードではありますが、どれもクオリティに定評のあるものばかりなので、最初に使い始めるものとしては十分です。
もし気に入ったら、上位版にアップグレードするのもいいですね。
シンセサイザー
オーディオインターフェース、MIDIキーボードの他にシンセサイザーという選択肢もあります。
最近のシンセサイザーは楽器単体でも利用はもちろん、DAWがバンドルされるためにDTM用途にも使えるようになっています。
DTMにおけるシンセサイザーの役割は以下のようなものです。
- DAWと連携する音源
- オーディオインターフェース用途
- シンセサイザーの鍵盤で演奏データを入力
- シンセサイザーのつまみなどでDAWをコントロール
つまりは、オーディオインターフェースとMIDIキーボードを合体させたようなものです。
ただし、プロ用のハイエンドシンセサイザーにはDAWがバンドルされていないものもあるので、購入前には注意しておきましょう。
また、シンセサイザーの中にはシンセサイザー単体で音楽制作ができるワークステーションシンセサイザーというものもありますので、コンピューターが立ち上がるまでの時間すらもどかしいと思う方はそちらをチェックしてみてもいいですね。

以下、DAWがバンドルされるシンセサイザーの一例です。
YAMAHA MX49
MX49はエレキギター並みの軽量コンパクトボディーが特徴のシンセサイザーです。
それでいて音色は上位機種譲りのクオリティーです。
初めてのシンセサイザー、初めてのDTMのお供にはうってつけではないでしょうか。
MX49にはBK(黒)・BU(青)・WH(白)の3種のカラーバリエーションがあります。
好きな色を選べるのもプラスポイントです。
MX49にはCubase AIがバンドルされています。
YAMAHA MOXF
MOXFは前述のMX49の上位機種的位置付けのシンセサイザーです。
だけあって、MX49では難しい高度な音色のセットアップが可能であったり、より多くのコントローラーが搭載されている他、MX49にはないオーディオ入力機能もあります。
MOXFもMX49と同じくCubase AIがバンドルされています。
VOCALOID
以外ッ!それはボーカロイド!
ボーカロイドの初音ミク V4Xにはボーカロイド本体の他に、DTMに必要なソフトが様々バンドルされています。
詳しくは以下の記事をご覧ください。

初音ミク V4XにバンドルされるDAWはPreSonus Studio One Artist Piapro Edition、新し目の未来志向なDAWです。
イチオシは「オーディオインターフェース」
ここまででDAWなどのソフトがバンドルされる機材を紹介してきましたが、これらのうちのどれを最初に買えばいいかと聞かれたら、私的にはオーディオインターフェースだと思います。
オーディオインターフェースはいわば音の出入り口、DTMにおいて要となる部分です。
コンピューターについているスピーカーやイヤホン端子はお世辞にもいい音とは言えませんので、真っ先に改善するためにもオーディオインターフェースは不可欠です。
また、オーディオインターフェースはDTMしてない普段の時にも、音楽をより高音質で聴く時にも使えるので、持っておいて損はないと思います。
機能に不満を感じるようになったらアップグレードしよう
バンドルされたDAWや音源の機能は十分とはいえ、使い込んでいるうちに不満な点が見えてくるはずです。
そうなった際には、バンドル版から製品版にアップグレードしましょう。
アップグレードの際、バンドル版のソフトを持っていれば上位版へのアップグレード価格が普通に購入するよりも若干安くなります。
そういう意味でもDTMをバンドルソフトで始めるのはお得だといえますね。