Ableton Push 2からはプラグイン音源の音色を切り替えることができません。
そのため、プラグイン音源の音色切り替えはわざわざMac/PCの方に手を伸ばさなければなりません。
このままでは何かと不便なので、Max for Liveを用いてプラグイン音源の音色切り替えを可能にした次第です。
Liveにはプラグインのプリセット切り替え機能がない
Ableton Push 2はLiveに付属する音源やエフェクトなどのモジュールの切り替えや編集などを簡単にできます。
このおかげで、Liveでの作業が格段にやり安く、かつ素早くできるようになります。
ですが、その便利さを他社製のプラグインでもというと、一筋縄ではいきません。
それでも、ちょっとした手間さえ惜しまなければPush 2でプラグインを操作することもできるようになります。
ただし、プラグインのプリセットの切り替えだけは例外です。
この機能は元々Liveに備わっていないので、Push 2ではどうすることもできません。
そんな機能がないならないで、MIDIのコントロールチェンジやプログラムチェンジによるプリセットの切り替えを行うことになるのですが、これらはLiveのクリップ(MIDIのフレーズやサンプルを納めている容器)に備わっているため、Push 2から操ることはできませんし、ラックのノブにアサインすることもできません。
そのため、プラグイン音源でたくさんのプリセットを切り替えながら目当ての音色を探す作業はPush 2からはどうあがいてもできないのです。
というわけで作った
だったらPush 2でのプラグイン音源の音色切り替えは諦める・・・とならないのがLiveです。
機能がないなら自分で作る、そんな芸当もLiveの機能の一つ「Max for Live」ならそれが可能です。
Max for Liveで音色切り替え機能をプログラミングしたデバイスを作るのです。
Max for Liveのプログラミングについては、Live使いのミュージシャンであるスピニングスパインのNMさんの記事と配布されているデバイスを参考にしました。
Ableton Liveでプリセットを切り替える方法 – スピニングスパイン(Ableton Liveや音楽について)
理想だったら、このデバイスを導入した時点で話は終わっていたのですが、残念ながらそううまくはいきませんでした。
上記の記事のデバイスでは私がよく使う「Sylenth1」のバンク切り替えができなかったので、プログラムに手を加える必要がありました。
つくったもの&やっていること
そんなわけで実際作ったものがこちら。
中身はこんな感じになっています。
このパッチでやっていることは以下の通りです。
- CC#0、CC#32、PCをそれぞれノブで設定できるようにする。
- MIDIの仕様通り、CC#0→CC#32→PCの順で命令を送る。
- CC#0、CC#32、PCのいずれかが動いたときに命令を送る。
こうしてタネさえわかれば実相は簡単・・・というわけにはいかず、Max特有のパッチプログラミングに苦戦しました。
私はMaxのようなパッチプログラミングよりもコードを書かせてくれた方が楽なのですが、郷に入ったら郷に従えとも言いますし、Max for Liveには今後もお世話になることですしここはパッチプログラミングに慣れるほかありません。
それとこのデバイスは万能ではなく、プログラムチェンジに対応していないプラグイン音源の音色切り替えはできません。
私の手持ちのプラグインで検証してみたところ、Sylenth1やSpireなどのシンセサイザー系はプログラムチェンジで音色切り替えができるようですが、Addictive Drumsなどのリアル系は対応していなかったみたいです。
本当なら、こういう基本的な部分はLive側に対応してもらいたいところなんですがね。
M4Lデバイスのダウンロード
今回作成したM4Lデバイスは以下のページからダウンロードできます。
ご自由にダウンロード&使用ください。
ただし、利用するにはLiveとMax for Liveをアクティベートしている必要があります。