人間工学を追求したStrandberg(ストランドバーグ)のギター

今の形のギターよりも、人に優しくもっと演奏しやすいギターの形があるのではないか?
そんな疑問を、ギターを常々弾いているミュージシャンなら誰もが感じたことがあるでしょう。
私は前々からギターは今の形である必要性を感じておりませんでした。

そんなご都合主義満載のギターなんてあるものでしょうか?
それがあったんです。

そんなギターを作り出す会社の名はStrandberg(ストランドバーグ)

本記事ではストランドバーグが作りだすギターを紹介します。

人間工学の賜物

Strandbergのギターは一見すると見慣れた形からかけ離れたデザインの変態的なギターに見えることでしょう。

あるはずの場所に無いヘッド。
いかつい感じのギタリストが弾いていそうな、名状しがたい禍々しいボディシェイプ。
斜めに曲がったフレット。
異質にして異彩を放つギターです。

ですが、これらのデザインは人間工学に基づいて設計されたものなのです。
人間工学(エルゴノミクス)とは、人間の自然な動きにあわせてモノや環境設計することを追求する学問のこと。
すなわち、Strandbergの定めた変わった形のギターこそが、人間の人間による人間のためのギターなのです。

ボディ

1番目につくボディシェイプ。
なんとも禍々しい。

これは実は人間が様々な姿勢でギターを弾くために作られた形なのです。
肋骨に当たる上の部分は従来通りながらも、下の部分のくぼみには座って演奏する際にちょうど足に掛けられるようになっているので、立ってでも座ってでも快適に演奏できます。

ヘッド

Strandbergのギターにはヘッドがありません。
すなわちヘッドレスギターです。

ヘッドレスギターは重心がボディに寄ることになるので、ストラップにぶら下げた際にヘッド側に傾く、俗にヘッド落ちと言われる現象が起こりません。
そのため、長時間演奏していても疲れにくいという特徴があります。

ネック

EndurNeckという、台形状のネックになっています。
これも通常のギターのかまぼこ型のネックとは異なります。

このEndurNeckは低音側と高音側で形が変わり、低音部は6現側を押さえやすく、高音側では1限側を押さえやすいよう、台形の形が変化しているのです。

また、フレットはファンドフレットという、扇形に広げられたフレットになっています。
ファンドフレットはサウンドと演奏性を両立した、モダンなギターにたまに見られるフレットです。

重量

Strandbergのギターの重量がなんと2.5Kg
3〜4Kgが相場のこれまでのギターからすると、体にかかる負担は相当軽くなります。

めちゃくちゃ高い

Strandbergのギターはこれまでのギターの形から逸脱した、革新的なギターです。
しかし、それでも欠点はあります。
それはギターの中では高価な部類に入ることです。
お値段ぐらいは革新的にならず、従来の枠に収めて欲しかったですね。

Strandbergのギターは一番廉価なモデルでも10万円オーバー、20万円近くします。
その異質な形と貼られている値札に、Strandbergのギターを本当は手に取ってほしい初心者には確実に敬遠されてしまうでしょう。

ここまでStrandbergのギターが高価になってしまうのも、偏に工作の難しさにあるのでしょう。
工作が難しくなれば、それだけギタークラフトマンの指導、精度の高い工作機械の導入などが必要ですし、合わせて歩留まりも悪くなってしまうので、それらの費用が本体価格に上乗せされてしまいます。
上に挙げた特徴を実現することを考えただけでも、ぱっと見で作りにくそうな要素が多く見かけられます。

人間工学を追求して人に優しいギターを目指したら、その結果はクラフトマンや財布には優しくないものができてしまうのです。
また、こういった人間工学の考え方が浸透しつつある中で、しかも実際に人間工学に基づいたギターが登場してもまだ、従来のギターが未だ昔と同じ形で残るのにも理由があるのですね。